江戸東京博物館は、体験型スマートフォンアプリ『ハイパー江戸博』の第3弾として、『ハイパー江戸博 日本橋繁昌記 江戸のお金編』を4月22日にリリースした。
「ハイパー江戸博」は、デジタル技術を活用し、博物館の収蔵品の新たな鑑賞体験を提供することを目的に開発されたモバイルアプリ。
2022年の第1弾「江戸両国編」、2023年の第2弾「明治銀座編」に続く第3弾では、江戸における商業の中心地である日本橋の賑わいを、当時の資料をもとに3D空間で再現した。
勘当された放蕩息子がさまざまな仕事に挑戦
本作の主人公は、芝居に入れ込みすぎて店のお金に手を出し、勘当された提灯屋の三代目の若旦那。ふんどし一丁・無一文の状態から、江戸の町でさまざまな仕事を経験しながら人生を切り開いていく。
本作では、新たに「お金稼ぎ」システムを導入。ユーザーは、江戸の街並みに隠された100点の収蔵品を探しながら、江戸時代のお金や商売の仕組みを体験できる。
1日1億円が動く中心地で「お金稼ぎ」を体験
ゲームの舞台となる日本橋は江戸の経済の中心地だった。なかでも、歌舞伎を上演する芝居小屋、魚河岸、三越百貨店の前身となる三井越後屋の3か所は、1日の売上が1000両(約1億円)を超えるといわれていた。本作ではそんな日本橋を舞台に、江戸時代の物の価値や当時のお金のしくみについて学ぶことができる。
開発を手がける株式会社ライノスタジオの谷口勝也氏は、一風変わった主人公の設定について、「若旦那は世間知らずだが、それは江戸時代に対する我々の感覚と同じ。ゲームの中の若旦那の驚きがそのまま我々の驚きになる」と説明する。
このほかに、ゲーム内で収集する博物館の収蔵品を分解して中まで見ることができるようになった点も、前作からの進化点だ。収蔵品は今後のアップデートでARとして表示することも可能になるという。
お金に関することは、いつの時代も変わらず人々の永遠のテーマ。江戸の働き方やお金について学ぶことが、現代を生きるうえでのヒントにもなるかもしれない。
『ハイパー江戸博』シリーズは、続く第4弾として大正時代の浅草をテーマにした作品も予定されている。