ハードウェアの安心感とアプリの利便性のいいとこ取り!カード型のAI文字起こしツール「PLAUD NOTE」を使ってみた

会議などの文字起こしにAIツールを活用することは一般化してきたが、現時点ではどれも一長一短で、なかなか理想のツールに出会えないと感じている人もいるかもしれない。

そんな文字起こしツールの新顔として、カード型のレコーダー「PLAUD NOTE」が登場した。メーカーより製品を提供いただき、一足先に使ってみた。

超薄型で文字起こしに対応

PLAUD NOTEは、カードサイズで厚さ3mm弱の超小型ICレコーダー。専用のスマホアプリと連携することで音声のテキスト化を行える。

MagSafe対応のケースが付属しているので、iPhoneの背面に装着して持ち歩くことも可能。また、AndroidスマホやMagSafeに対応していないiPhone向けに、両面テープで貼り付けることのできるリング状のマグネットも付属。充電には専用のケーブルを使用する。

本体には、電源のオン/オフや録音の開始/停止を行うボタンと、通常のレコーディングと通話録音を切り替えるスイッチを搭載。

ボタンを長押しすると録音状態となり、オレンジ色のライトが点灯する。録音のオン/オフ時には振動によるしっかりとしたフィードバックもあり、「録音を開始したつもりが録音されていなかった」というトラブルを防ぎやすい仕様となっている。

要約やマインドマップも自動生成

文字起こしや要約は、専用アプリにデータを取り込んで行う。利用にはサブスクリプションの加入が必要で、月額1400円で月600分の文字起こしが可能。割引が適用される年間プランや、文字起こし時間が不足した月に必要分を追加購入できるチケットも販売されている。

アプリ画面の一覧から録音をデータを選び、「文字起こし開始」ボタンを押した後、文字起こし言語と要約の形式を選ぶと、テキスト化と要約の生成が開始される。

複数の打ち合わせやイベントで実際に使ってみたが、AIを使ったノイズキャンセリングの性能が高く、周囲がざわついた場所でも話者の声を比較的クリアに拾える点がとくによいと感じた。

多少の誤変換や誤認識はどうしても発生するものの認識精度は全体的に高めで、発言内の「あのー」「えー」といったフィラーもしっかり除かれている。

ただし、現段階では話者の識別を行うことはできない。また、テキストが発言のまとまりではなく50〜60字ごとに短く区切られてしまい、それぞれに経過時間が挿入されるため、あまり見やすい状態とはいえない。

先行する文字起こしアプリの「Notta」の場合、話者が識別され、発言のまとまりごとのブロックで表示される。テキスト化後の議事録作成のしやすさを考えると、このあたりの機能はもう少し充実してほしい部分だ。

文字起こしと同時に、ChatGPTを利用した「要約」および「マインドマップ」が作成されることも本製品の特徴だ。文字起こし開始時に選択する形式によって要約の形式も変わる。

「マインドマップ」もは、要点を構造的にまとめた樹形図のようもの。現時点では細かい構造化は行えず、要約とあまり変わらない印象なので、今後の進化に期待したい。

録音は本体単独でもOK

PLAUD NOTEの意外な強みといえるのが、本体だけで録音を行える点だ。先述のとおり、テキスト化や要約はアプリから行う必要があるものの、録音そのものは本体をスマホとペアリングしていない状態でも可能。その場合、ネットワーク接続なども必要ない。

スマホのマイクを使って録音を行うアプリ型ツールの場合、録音中に電話の着信に応答するなどして他のアプリでマイクが使用されると、その時点で録音は中断されてしまう。実際、筆者もアプリを使った録音中に電話に出てしまったために録音が途切れ、肝を冷やしたことがある。

それ以外にも、スマホのバッテリー残量が心もとないときや、録音と同時に動画撮影も行いたい場合など、スマホを使わずに録音したいシーンは意外と多い。

ハードウェア単体で稼働するICレコーダーの安心感と、簡単にデータの取り込みや文字起こしが行える利便性の「いいとこ取り」ができるのがメリットだろう。

通話録音にも対応、ただしデータのインポートはできず

このほかに、付属ケースでスマホの背面に取り付けた状態で録音を行うことで、スピーカー通話にすることなく相手の声を録音できる「通話モード」も搭載。これは、骨伝導の原理を利用して相手の声を増幅することで実現しているとのこと。通話を録音できる手段が限られるiPhoneユーザーにとってはこちらも嬉しい機能だ。

ただし、現時点では外部の録音データをインポートする機能は用意されていないため、自分が参加していない会議の録音/録画ファイルを使って後から文字起こしをする機会が多い場合には適していないかもしれない。

また、文字起こし結果が録音中にリアルタイムで表示されるわけではないため、会議中に聞き逃した発言をテキストで追うといった使い方もできない。これらの用途で使いたい場合には、リアルタイム文字起こしに対応したツールを選んだほうがよいだろう。

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PLAUD NOTEは12月30日までMakuakeにて購入できる。現在使っている録音や文字起こしのツールに何かしらの不満がある場合や、人力の文字起こしを続けていて、そろそろ効率化を図りたいと考えている場合などの新たな選択となりそうだ。

Makuake販売ページ

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