メタバースが世間の注目を集めるようになってから1年が経とうとしている。当サイトは本日でオープン1周年を迎える。
「メタバース」という単語をめぐるこの1年を、Googleトレンドの検索ボリュームおよび、プレスリリースでの使用数から振り返ってみた。
「メタバース」検索ボリュームは昨年10月に一気に上昇
Googleトレンドで、日本国内での「メタバース」の検索ボリュームを調べると、2021年7月末ごろからわずかに増え始め、10月24日〜11月6日の2週間で一気に上昇している。これは言うまでもなく、Facebook(現Meta)の動向によるものである。
米国時間7月28日に開催されたFacebook社の4〜6月期決算会見で、マーク・ザッカーバーグ氏がメタバースへの注力を表明。29日には朝日新聞デジタルが「米フェイスブック、仮想空間『メタバース』に注力」の見出しでそれを報じている。
そして、米国時間10月28日に開催された同社の開発者向けイベントConnect 2021のなかで、社名を「Meta」に変更することが発表された。
その後も、Meta社の四半期決算前には検索ボリュームが上昇し、決算を挟んで下降する傾向がみられている。
なお、それとは関係なく検索ボリュームが最高値に達している2022年1月最初の週は、国際的なテクノロジー見本市「CES2022」がラスベガスで開催されていた影響が考えられそうだ。
海外での検索傾向は?
なお、Googleトレンドの検索対象を「すべての国」として、英語の「metaverse」の検索ボリュームをみると、以下のようになる。Facebook社名変更のタイミングで一気に上昇し、2022年1月初週に最高値を記録している点は日本と同じだが、春以降の下降が日本より大きい印象だ。
プレスリリース見出しでの使用数は1年で50倍
「メタバース」を前面に出したプレスリリースも、この1年で一気に増えている。
Googleの検索オプションを使い、プレスリリース掲載サービス「PR Times」に掲載された、見出しに「メタバース」を含むプレスリリースの数を3か月ごとに区切って比較してみた。
2021年4〜6月の掲載数はわずか6件。同一プロジェクトの続報や、関連の複数企業が同内容のリースを出しているケースを除くと、サービスやイベントの数としては4件になる。
その後10月以降に一気に増加し、今年の4〜6月には300件近くの「メタバース」を見出しに入れたリリースが掲載されている。サービスやイベントのジャンルも、エンタメからビジネス、教育、不動産、観光など多岐にわたる。
もちろん、メタバースという言葉は使っていないものの、今回のブーム以前からメタバース的なコンセプトのサービスやイベントを提供していた企業はあるし、逆に「これってメタバースなの?」という内容のリリースにメタバースという言葉が使われているのを見かけることもある。
そのため、この数字だけで「メタバースに関するサービスやイベントのリリースが50倍に増えた」と言えるわけではないが、企業サイドが強く意識しているキーワードとなっていることは間違いないだろう。
「Zat’s VR」は本日で1周年
当サイトがスタートしたのは2021年8月29日。「メタバース」という言葉の注目度がじわじわと上昇し始めていた時期だ。
実はその1年ほど前から、「VR×ビジネス」の情報を発信するウェブメディアの構想はもっていた。ただし、当時はその方向性にあうサービスが非常に少ない状況。サイトを作ったところで、紹介できる話題がない……。
でも、いずれは仮想空間が今のZoomのようにビジネスシーンでも気軽に利用される時代が来るはず。そう考え、方向性を探っていたときに、Facebookがメタバースへの注力を表明。「スタートするなら今だ!」と準備をしてオープンにこぎつけたのが1年前の今日だった。
その後、想像していた以上のバズワードとなり、「掲載できる話題がない」と二の足を踏んでいたのが嘘のように、日々たくさんの新しいサービスが生まれ、多くのイベントが開催される状況となった。
そして恥ずかしながら、そのスピードにサイトの更新が追い付いていない状況。紹介したいニュースも、レビューしたいサービスも、取材したい場所も本当はまだまだたくさんある。
2年目はコンテンツ数増加とスピードアップをめざしつつ、引き続きビジネスを中心とした「ちょっとお堅い分野のメタバースの話題」をお届けしていきたい。
2021年
4〜6月:6件
7〜9月:18件
10〜12月:128件
2022年
1〜3月:225件
4〜6月:296件