スマートウォッチやスマートバンドで、心拍などのバイタルデータを測定することは当たり前になったが、今後センサーがより小型化すれば、VRデバイスでこれらのデータを測ることが可能になるかもしれない。
CEATEC2022のシャープのブースに参考出品として展示されていた、「バイタルセンシング用超小型センサ」は、そんな可能性を秘めたソリューションだ。
指輪やイヤホンにも埋め込めるサイズ
「バイタルセンシング用超小型センサ」は、サイズ1×1.75ミリ、厚さ0.35ミリという極小サイズのセンシングデバイス。イヤホンやVRヘッドセット、眼鏡、指輪などに埋め込んで使用することを想定しているとのこと。
低待機電力で長時間の駆動が可能で、脈拍および血圧、血中酸素飽和度が測定が可能。さらに、測定データに基づいた「興奮度」も表示される。
「興奮度」の指標はヘルスケアに直接影響するものではないものの、VRコンテンツ体験中の集中度を測るといった用途での利用が想定できるという。
非接触の体温・血圧測定ソリューションも
さらに、カメラを使って心拍や血圧を測定できる「非接触バイタルセンシングソリューション」も参考商品として展示されていた。
一見、普通の鏡のように見えるが、これがディスプレイになっている。表示される枠に顔を合わせると測定が開始され、5~10秒程度で測定結果が表示される。
脈拍数と血圧には、カメラが認識した顔の映像を使用。人の目にはわからない顔色のわずかな変化から脈波を検出し、さらに、その脈波情報から血圧を推定するしくみだという。
さらに、呼吸による身体の動きをカメラが認識することで呼吸数を測定したり、センサーを使用して体表面温度を測定したりも可能。イベント会場の入り口への使用や、企業内の健康支援としての活用を想定しているとのことだ。