調査会社のミンテル、日本におけるメタバース活用のレポートを発刊。不登校や高齢化など社会課題解決にも可能性

ロンドンに本社を置く市場調査会社「Mintel」は7月18日、日本市場に関するレポート「デジタルトレンド – メタバース– 日本 – 2023年」を発刊した。

本レポートでは、メタバース普及の背景から海外の概況のほか、消費者意識や日本での社会問題の解決につながり得る、今後の活用例について考察されている。

グローバルトレンド1:メタバースに対する消費者意識

メタバースの市場規模は、2030年には市場規模が世界で約79兆円に達するとも予測されている。

ミンテルが行ったメタバースに対するグローバルな消費者調査結果について、リサーチアナリストの柴田恭明氏は「メタバースに対する不信感がある程度根強いと想定していましたが、意外なことに人々はそこまでメタバースにネガティブな印象をもっていないことが判明しました」と話す。

グローバルトレンド2:活用例―クリスチャンディオールのバーチャルショップ―

クリスチャンディオールは、シャンゼリゼ通りの店舗を再現したバーチャルショップを運営。実際の画像を元に再現された店舗内を歩き回ることができ、商品画像をクリックすることでECサイトで同じ商品を購入することもできる。

日本での活用例1:不登校児童へのサポート

すでに教育現場でメタバースが活用されている事例として、埼玉県戸田市が認定NPO法人カタリバと共に行っているオンライン不登校支援プログラム『room-K』がある。

その他、メタバースを教育シーンに導入することで、児童生徒が嫌悪感を抱くような生物の解剖実験の代替や、教育効果を高めるために歴史上の有名な場面を体験するなどの試みも将来的には実現するだろうと予想する。

日本での活用例2:高齢化社会への対応

hemVRが提供するエアロバイク用のVR機器は、ヘッドセットと小型センサーを装着して空や宇宙空間などの仮想空間をサイクリングでき、アバターを通じて家族や友人などとも交流が可能。

また、東京大学先端科学技術研究センターが、高齢者介護事業を行うSOYOKAZEと共同で「VRでの旅行体験が高齢者の認知機能、身体機能に与える効果を測定する実証実験」を行うなど様々な試みが実施されている。

ミンテルジャパンレポート

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