日本の土木技術を途上国へつなぐメタバースツール、大日本コンサルタントとHOME360が開発

建設コンサルタントの大日本コンサルタントと、VRソリューション開発を手がけるHOME360は、メタバース・コミュニケーションツール「home360room」を開発しました。

このツールは、VR空間内でアバター同士でコミュニケーションをとり、会議、教育、講習などを行えるもの。

映像を入れ替えることでさまざまな場所を共有できることや、アバターの方向から声が聞こえることでコミュニケーションがとりやすい点が特徴。また、途上国などネット回線が低い状況でも使用可能な設計となっています。

開発の背景には、ザンビア共和国の橋梁の維持管理についての課題があるそうです。同国の橋梁の多くは1970年代あるいはそれ以前に建設され、適切な維持管理作業がなされなかったことから老朽化が進んでいます。橋梁技術者が少なく、RDAの橋梁維持管理能力の向上が課題となっていました。

大日本コンサルタントは、この課題に対して日本が技術協力を行う「橋梁維持管理能力向上プロジェクト」に2015年から従事してきましたが、コロナ禍によって現地への渡航が困難になっていました。

そのような状況でも、ザンビア共和国の道路交通網を整備し、国の経済活動を支える現地の技術者への技術移転を続けていくために、home360roomが開発されました。VR空間内の360度画像は国内で撮影しているため、日本に来ているような感覚もあり、高度な土木技術を間近に見ることができます。

距離の壁をなくすことができるのがメタバースの強み。国境を越えた社会貢献への活用にも大きな可能性を秘めていそうです。

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