「Nreal Air」がiPhoneでも利用可能に!Yeo副社長が語る日本への期待【発表会レポート】

ARデバイスを販売するNrealは、同社のARグラス「Nreal Air」をiPhoneなどで利用可能にするアダプターの販売開始および、専用アプリケーション「Nebura」のMac対応を発表した。

8月24日に開催されたNreal Japan新製品発表会では、Nreal 副社長 兼 日本Nreal 代表取締役 呂正民(Joshua Yeo)氏によるプレゼンテーションも行われた。新製品の概要および、プレゼンの内容を紹介する。

iPhoneで使えるアダプターが登場

「Nreal Air」では、グラス本体のケーブルをスマホに接続し、スマホの画面をミラーリングすることができる。ただし、ケーブルのコネクタがUSB Type-Cであるため、これまではType-Cポート搭載のスマホでしか利用することができなかった。

今回発表された「Nreal Adapter」は、Lightning端子およびHDMI端子との接続を可能にするアダプター。これにより、iPhoneやNintendo Switchなどの画面をミラーリングすることも可能になる。9月下旬発売予定で、価格は8,980円。

Macでも利用可能に!Windows対応は未定

さらに、より没入感の高い映像を楽しめる同社独自の3Dインタラクティブアプリケーション「Nebula」のMac対応も発表された。M1/M2チップ搭載のMacが対象で、最大3つのウィンドウを空間内に表示することが可能。9月中のリリースを予定している。

これまで、Nebulaアプリを利用できるのは、一部のハイエンドAndroidスマホに限られていた。Macからも利用できるようになることで裾野が大きく広がりそうだ。

そうなると気になるのが、Windows PCへの対応だが、「Nebulaのリリースにあたっては、CPUやグラフィックカード、メインボードなどのスペックを考慮する必要があるが、Windows PCは種類が多いためにハードルが高い」Yeo氏は話す。

Nrealの市場シェアは8割超

AR市場は、この数年で大きく伸びている。2021年のARデバイスのグローバル出荷数は、前年比231%に増加。コンシューマー向けデバイスに限った場合でも161%の増加となっているという。

そして、コンシューマー向けデバイスの市場シェアでは、Nrealは2020年には30%に過ぎなかったもの、2021年には75%、2022年上期には81%にまで増加した。

日本市場に注力してきたNreal

中国に本社を置く同社は、これまで日本市場を重視した展開を行ってきた。2019年には、初の海外拠点として日本に事務所を設置。さらに、同年には世界初の開発者ミートアップを日本で開催し、さらにデベロッパーキットを他国に先がけて発売するなど、開発者支援にも力を入れてきた。また、「Nreal Air」も2022年2月に他国に先がけて日本で発売された。

その背景についてYeo氏は、「デベロッパーキットの申込数は、日本がアメリカに次いで多かった。日本はAR技術に対する消費者の関心が高く、市場調査でも“世界でもっともARに興味のある国”という結果が出ている」と話す。

さらに、日本は映画やアニメの映像コンテンツが豊富で、ARで映すコンテンツが多いこともあり、ARの市場としては大きいという。

「ARグラスが普及すると、人生が完全に変わるようなアプリケーション次々出ると思う。日本は世界1位になれる開発者のいる国。すごく期待している」とYeo氏は日本への思いを語った。

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