アイ・ロボティクスとJR西日本、鉄道保守の省力化にドローン運用モデルを構築

アイ・ロボティクスは、JR西日本 金沢支社 敦賀保線区と連携し、鉄道保守業務におけるドローン運用モデルの構築と実証を行った。

鉄道業界では、沿線保守業務における人手不足や作業の属人化、作業品質の平準化と安全性の両立が課題となっている。今回の取り組みでは、単なる技術導入ではなく「現場と共に設計し、現場で共に試す」共創型のアプローチを重視した。

「遠隔操作型ドローンポートの現場設置と運用」、「除草剤の空中散布に関する実地検証」、および「動物忌避剤の活用可能性に関する環境調査と検討」等を実施。遠隔操作型ドローンポートの現場設置により、作業員が常駐せずとも定時・定ルートでの自動離着陸と巡回飛行を実現した。

除草剤の空中散布では、飛行ルートの安定性、撒布範囲の均一性、薬剤の飛散抑制など、運用上の安全性と精度のバランスを評価した。また、動物忌避剤については、現地環境や法的観点から実運用に向けた課題と対応の方向性を可視化した。

また、作業体制については、従来5人以上を要した散布作業を2人で対応可能にし、省人化と人的負担の軽減を実現した。航空法や農薬取締法など関連法令に基づいた運用設計により、実証期間中における事故・トラブルゼロを達成した。

今後は技術・運用基盤の整備に注力し、鉄道事業者との連携により、地域ごとの特性に応じた散布設計や制度整備への共同対応など、技術導入と運用設計を一体的に進める協業体制の構築を目指すとしている。

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