京都・伏見稲荷大社の境内を「3Dガウシアンスプラッティング」でメタバース空間内に再現

大日本印刷(DNP)は、京都・伏見稲荷大社の楼門、本殿、千本鳥居等の境内をメタバース空間として構築した。このメタバース空間は大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンにて2025年5月2~3日に公開された。

同社では、文化遺産の保存・継承・利活用を目的としたデジタルアーカイブ事業を展開している。今回のメタバース空間は、その一環として制作された。

このメタバース空間は、利用者が自由に周遊できる没入感のある設計と、「狐」による日英バイリンガルの案内が特徴。利用者は、空間内で自分の願いを込めた「鳥居」を建立する体験もできる。

制作には、高精細な3次元(3D)空間の再現技術「3Dガウシアンスプラッティング(3DGS)」が利用されている。3DGSは多数の映像や画像を専用ソフトウェアで処理することで、フォトリアルな(写真のような)3D空間をリアルタイムで描画する手法。従来の3D空間構築に比べ、3DGS技術により低コスト・短期間での実現が可能となった。

関西万博での公開では102名が体験し、特に子供たちから高評価を得た。同社は今後も3DGS技術を活用し、文化遺産のデジタルアーカイブ化と公開・利活用を支援していくという。

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