「LOST ANIMAL PLANET」は、絶滅した古代生物の化石をARで「発掘」「復元」できるコンテンツだ。
NTT QONOQのXRアプリ「XR City」内で提供中され、新宿サザンテラスおよび東京ドームシティで体験が可能となっている。今回はサザンテラスに足を運んでみた。
サザンテラスに古代生物が出現
アプリ画面には、現在地から各コンテンツの体験可能スポットまでの距離や地図が表示される。ここからスマホの地図アプリを開いて詳細を確認しながら目的地に向かうことも可能だ。
スポットに到着すると、コンテンツをダウンロードして体験を開始できる。
「LOST ANIMAL PLANET」では、スマホカメラがとらえた映像と画像を照合することで位置情報を特定するVPS(ビジュアル ポジショニング システムとよばれる技術が使われている。
そのため、まずは指定された場所の映像をカメラに写し込む必要がある。足元に立ち位置を示すステッカーが貼られているので、これを目印にするとよい。
映像を正しく認識させることができると、コンテンツがスタートする。周囲の地面の複数の場所から光の柱のようなものが立ち上っているのがわかる。この場所に何かありそうだ。
タップすると、なにやら石のようなものが出現。さらにタップして「発掘」を進めると「ただの石だった」との表示が……。
他の場所も試したものの、いくら発掘しても「ただの石」しか出現しない。何度かトライした後、やみくもに光の柱のある位置を発掘すればよいというわけではないことに気づいた。
画面に表示されている波形が化石までの距離を示すレーダーになっていて、この反応が大きい場所を発掘する必要があったようだ。(じつはコンテンツ開始時の画面にちゃんと表示されていたのだが、読み飛ばしてしまっていた)
レーダーの波形が大きく反応している場所で発掘を行うと、今度は化石が無事出現。タップして復元を行うと、ARの古代生物を見ることができた。
この後、近くのスポットで別の古代生物の復元にも成功。生物が出現している間は岩や草などもARで表示され、都会の街と融合した不思議な風景を楽しめる。
「場所限定」と「コレクション」が体験の鍵
現在コンテンツが提供されているのは、新宿サザンテラスと東京ドームシティの2エリアのみだが、今後は全国にエリアを拡大予定とのこと。
発掘・復元を行った生物は自分のアプリ内に保存し、スポット以外の場所でもARを表示することができる。
コンテンツは拡大・縮小表示も可能なので、巨大生物を街に出現させたり、小さく表示して手乗り風の写真を撮って楽しんだりもできる。
「コンテンツを取得できる場所が限定されている」「取得したコンテンツをコレクションできる」という2つの要素は、ARを体験の入り口としても重要だと感じた。
場所限定で配信されることによって、どこからでも体験できるものに比べて「特別感」が得られ、コレクション要素があることで、他のスポットにも足を運んでみたいという気持ちになれる。
さらに、この「LOST ANIMAL PLANET」には場所を問わずに取得できる「日替わりコンテンツ」も用意されている。日替わりコンテンツを自宅で体験した人が、他の生物も集めたくなって体験スポットに足を運ぶという流れもありそうだ。
それに加えて古代生物の知識が得られる学習要素も備わっているなど、地域活性用途としても、教育用途としてもかなり可能性があると感じた。